夜、トイレに行きたいけど怖くてひとりで行けないコッシー、このままでは漏らしてしまいそうです
なっとら~ん!
うわぁ~っ!オバケ~!
そこへ煙のように現れたのは「コシだカケのしん」と名乗る、コッシーのおじいちゃんの、おじいちゃんの、そのまたおじいちゃん、つまりコッシーのご先祖様です
ご先祖様はコッシーがひとりでトイレに行けないので心配になって出てきたのです
これからはワシの教えを聞いて、一人前の立派なイスになるんじゃぞ、よいな?
ええっ・・・う・・・うん・・・
なっとら~ん!返事は「うん」じゃなくて「はい」じゃ!
は、はい~!
それじゃ!それ!
う~ん・・・ムニャムニャムニャ・・・
なっとら~ん!
ひゃ~!ご先祖様!
朝、寝ているコッシーをご先祖様が叩き起こしました
いつまで寝ておる!早く起きんか!
早起きせんと立派なイスになれんぞ!モグモグモグモグ・・・
あ~あ~あ~!それボクのオヤツ!
オホホッ、こんな美味い煎餅は初めてじゃ
コッシーのオヤツのポテトチップスを食べるご先祖様、ご先祖様の時代には無かったオヤツに興味津々です
◆◆◆
ご飯を食べるコッシー、スイちゃん、サボさん
コッシーは二人より早く食べ終わってしまいました
ごちそうさま~!
あら?コッシー早いね
ところがお皿にはネギが残っていて・・・
なっとら~ん!
何故ネギを残す?
だって、好きじゃないから・・・
なっとら~ん!
好き嫌いしていては立派なイスになれんぞ!それでもいいのか!
わかった、ちゃんと食べるッス
すごすごと食卓に戻って残したネギを食べるコッシー
◆◆◆
スイちゃんも出かけてしまい、やることが無くてダラダラしているコッシー
なっとら~ん!
イスならゴロゴロしとらんでシャキっとせんか!
ご先祖様に言われて足腰を鍛えることになったコッシー、
重たい本をたくさん乗せてがんばります
う~う~重いよ~、重い~、もう疲れたッス!
何を言っとる!これぐらいで何じゃ!
ワシなどお相撲さんを座らせたこともあるのじゃぞ!
とうとう転んでしまうコッシー
無理ッスよ、こんなの~
無理ではない!ワシがコッシーぐらいのころには簡単にできておったぞ!
夜ひとりでもトイレに行けたし、怖いものなどひとつも無かったんじゃ!
コッシーだって頑張ればそうなれるはずじゃ
ん~それはご先祖様がすごいだけでしょ、
ボクはご先祖様とは違うから・・・
すると突然大きな雷の音が鳴りました
慌てふためくふたり
うわ~!雷!怖いよ、怖いよ、助けて~!
えっ・・・?
怖いものなどひとつも無いと言ってたご先祖様が、コッシーと一緒に雷を怖がっています
アハッ!ご先祖様も雷怖いんじゃないッスか~!
あっ、いや、あの、これは、ちょっと、その、あの・・・
いや、雷だけは苦手なんじゃ!
他は何にも怖いものなど無い!
え~ホントかな?ガオーッ!
コッシーが怪獣の鳴きまねをすると、ご先祖様は怪獣も怖がって叫びました。
でも、自分と違ってすごいと思ってたご先祖様が、やっぱり自分と同じで怖いものもあると知って、なんだか身近に感じられるようになりました
やっぱりボクのご先祖様ッス!
◆◆◆
いよいよ夜、コッシーはひとりでトイレに行けるのでしょうか?
あ~やっぱり怖いッス!
勇気を出すのじゃ、立派なイスになるためじゃぞ
わかった!絶対そこにいてね
ご先祖様が近くで見守ってくれると信じて、コッシーは勇気を出してひとりでトイレに向かいます
ねえ、いる?ちゃんといる?
ああ、ここにいるよ!
そう答えてご先祖様はそっと消えてしまいました
トイレを無事に終えて戻ってきたコッシー、
でもそこにはご先祖様の姿がありません。
コッシーはちゃんとひとりでトイレに行くことができたのです
あれ?ご先祖様どこ?どこ~?どこ行ったの~?
コッシーが騒ぐので、スイちゃんとサボさんが起きてきてしまいました
コッシー、うるさくて眠れないよ
そうよ、誰としゃべってんのよ
ん・・・ううん、何でもない!何でもないッス!
姿は見えないけれども、これからもご先祖様はそっとコッシーを見守り続けます
コッシー、これからも立派なイスを目指して頑張るのじゃぞ!
ワシはいつでも見守っておるぞ!